IoTで変わるニューノーマル ~コロナ時代のIoTが“非接触”と“可視化”でみんなの生活を変える~

TERASコラム

IoTで変わるニューノーマル ~コロナ時代のIoTが“非接触”と“可視化”でみんなの生活を変える~

  • 2024.11.24

そもそもIoTってなんだろう? 実は身近な場所にあるシステムです。

IoTとは、Internet of Thingsの略。訳すと「モノのインターネット」という意味です。

スマートフォンや、家電、調理器具などにインターネット機能が付いているというモノは、ここ最近とても多くなってきました。

でも「モノのインターネット」って一体どういう仕組みなんだろう?

今までとは何が違って、どうして便利になるのだろう?

それを簡単に解説してみましょう!

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“モノ”が情報を集める。

IoT機能を搭載している“モノ”が、センサーや操作によって情報を集めます。

“情報”を蓄積・分析して、ベストな答えを導き出す。

集められた情報をインターネット上のクラウドに蓄積し、AI等が解析して、何をすべきかを見つけます。

“モノ”がベストな結果に応じて作動する。

分析結果によって導き出された結果を、人やモノにフィードバック。

 

身近なことで例えると、交通機関ではバスの運行状況でIoTが活躍しています。

①バスに付けられたGPS機能で、位置情報をバス会社が把握

②集められたバスの位置情報と、運行ルートの渋滞情報を照らし合わせて解析

③バスを待つ人は、アプリやQRコードを読み取りバスが何分後に来るかをリアルタイムで知ることができる。

 

「えっ!? こんなこともIoTによって便利になったの?」

思わずそう言ってしまうほど、実は生活のなかでちょっと便利になった理由が“IoT”であることは少なくありません。

 

コロナ禍とともに始まったニューノーマル時代

IoTは日常生活や医療、交通機関、物流といったいろいろな分野で、ヒトに便利さや快適さをもたらすために、日々進歩し続けています。

そんななか、コロナ禍がはじまりました。

生活のうえで最も優先しなければならないのは、感染対策――全ての人にとって、今までに経験のない生活の仕方が求められるようになりました。

コロナ禍とともに過ごす時間が長くなり、初めは手探りだった感染症対策もだんだんと「何が有効か」がはっきりとわかり始めています。

すると、感染症対策にIoTが役立つシーンがとても多くなってきました。

どんなシーンで、IoTがどんなふうに使われているのか、代表的なものをいくつかピックアップしてみました。

 

【非接触で来場者をスクリーニング(ふるいわけ)】

テレワークが推奨され、オフィスに出勤する人の数が減ったとはいえ、職種や業種によっては出勤せざるを得ない人も少なくありません。

感染症対策として最初に導入されたのは、検温です。

オフィスビル、病院や飲食店などの出入り口・受付で来場者の体温を一人ずつ計るところを見かけた人は多いはず。

ですが、これは「接触」となり、検温するスタッフの感染の危険性を高めることでもあります。もしも多くの人と接触するスタッフが感染していたら、そこからクラスターが発生する可能性もあるでしょう。

そこで取り入れられたのが、IoTによる検温スクリーニングです。

・サーマルカメラで非接触検温

サーモグラフィ(温度感知)機能のついたカメラが、自動で来場者の体温を計測。

・ビックデータを使用し、誤差を軽減

 サーマルカメラから得られた体温、体表温度、室温の3つの情報を解析し、通常の検温(脇下で測る体温)との誤差を少なくする

・画像認識システムと組み合わせて、すりぬけ防止

大規模なオフィスビルなど多くの人が行き交う状況では、発熱している人を察知しても見落とす可能性がある。そこで顔認証と体温測定を組み合わせてすりぬけ防止を徹底する。

 

【介護施設の問題を、見守りセンサーで手助け】

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コロナ禍のなか、介護の現場では人手不足が深刻になっています。

寝た切りなど介護度の高い入居者には、体位交換やオムツ交換など接触を避けられない状況も。

高齢者にとってもっとも多い重大事故の原因は、転倒です。

とくに認知症のある人は、夜間にベッドから離れて行動すると転倒することが多いそうです。

また、介護度が高くない人が入居するサービス付き高齢者住宅では、居室内で倒れたまま気づかれない場合も。

介護職員の負担をなくしつつ、高齢者の転倒事故を防ぐのにもIoT機能が役立っています。

・カメラを使用しないことでプライバシーを守る

監視カメラを使用したシステムでは入居者のプライバシーが守られず、さらにチェックできない死角が発生。そこで複数のセンサーとAIによるチェック機能でプライバシーを守りながら見逃しを減らす。

・離床センサーで見回り頻度を軽減

入居者がベッドから離れる、立ち上がるなどの動きを察知。さらにAIの解析で通常の動作か、転倒などの非常事態なのかを判断して知らせる。

センサーを確認することで、職員による夜間見回りの負担を軽減させる。

・さまざまな「数値」をチェック

複数のセンサーによって、入居者の動きだけでなく「呼吸の有無」「体温」「心拍数」「室温」などを把握。突然の体調不良や、熱中症の防止に役立つ。

 

【可視化で3密を回避】

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感染症対策として効果的なことのひとつしてあげられているのが、「密閉」「密集」「密接」――「3密」の避です。

オフィス、店舗、病院、学校、公共施設……人の集まる場所はたくさんあり、生活していくうえでは避けられない場所です。

そこで、「3密」になりそうな状況を把握・警告することによって感染症対策を促すIoTシステムがどんどん取り入れられています。

・施設内の混雑具合をわかりやすく提示する

多くの人が出入りする商業施設やイベント会場などで、センサーカメラを使い入場者数を把握。混雑状況をリアルタイムにわかりやすく可視化することで、来場者への3密回避を促したり、空いている時間帯を把握してもらう。

・ソーシャルディスタンスと換気を促す「密」センサー

会議室や教室など、狭い空間に多人数が集まる感染リスクが高い場所で、「着席している場所」や「室内のCo2濃度」「ドアの開閉時間」をセンサーで把握。ソーシャルディスタンスや換気をアラートで促す。

・“スイッチに触らない”非接触をあらゆる場所で実施

不特定多数の人が触るスイッチは感染リスクが高いため、手をかざすだけでスイッチが機能するシステム。人がいることをセンサーが感知し、照明やエレベーターなどが自動運転する。

 

【行動をデーター化して、個人の感染症対策を】

今まで紹介したIoTシステムは、“場所”に置くことにより感染症対策を促すシステムでした。しかし感染症は自分が気を付けていても、どこかで誰かからうつってしまう可能性はゼロではありません。IoTはそんな個人を守るためにも役立っています。

日本では厚生省労働省と感染症対策テックチームが開発した「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」が発表されました。ここではCOCOAがどんなアプリなのかを簡単にまとめてみました。

・スマートフォンにダウンロードするだけで使える。

スマートフォンの近接通信機能(ブルートゥース)を利用して、プライバシーを守りつつ、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性の通知が受け取れる。

・アプリを使用することで、接触の可能性が高い場合は検査機関や保健所のサポートなどが早く受けられる。

 

IoT機能を使い、感染の可能性をできるだけ早く知り、対策することは新たな感染者を増やすことが避けられます。

またこの機能をウェアラブル機器に搭載し、スマートフォンを持っていない世代(低年齢層や高齢者など)にも普及させる動きも出ています。

リストバンドのような形で接触確認アプリを多くの人が使うようになれば、より正確な感染経路の研究にも役立つかもしれません。

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