ライフスタイルのなかに溶け込んでいく「IoT」 ~日常生活の中の“ほんのちょっと不便”を解決してくれる、そんなツールでもあります~
- 2024.11.24
ここ数年で広まってきた「IoT」という言葉。
インターネットに繋がることで便利に使える家電なども増え、IoTはどんどん身近になってきています。
IoTとは、どんなモノ?
IoTって一体なに?
IoT(アイ・オー・ティー)とは、「Internet of Things」の略語。
「モノのインターネット」という意味。
身の回りにある様々なモノが、インターネットに繋がることで、より便利に使えるようになることです。
数年前までは、インターネットに繋がるといえばパソコンや携帯電話、ゲーム機器くらいでした。
しかし、IoTが進んだ現在、調理器具や冷蔵庫、エアコン、テレビといった家電や、さまざまなモノがインターネットに繋がり便利に使えるようになっています。
IoTにできること
IoTはモノがただ単にインターネットに繋がるだけではありません。
・操作(家電、鍵の開閉など)を遠隔からオン・オフ・調整できる。
・環境(温度や湿度、明るさ、音の大きさ、重さなど)を知る。
・動き(ドアの開閉、移動、落下、移動距離など)を知る。
・位置(定位置にあるかどうか、移動したかどうかなど)を知る。
・状況(土壌や水質などの成分、貯蔵量など)を知る。
といった、人やモノの状況や位置、量を遠隔でチェック・操作することができます。
製造業、物流業界や医療現場などで活用されているだけでなく、身近なところではペットの見守りや忘れ物防止タグなどにも活躍しています。
また、操作やモニタリングだけでなく、集まった多くのデータをAIが解析するのもIoTの特長です。
・データを「集める」
・集めたデータを「解析する」
・解析した結果を「可視化・最適化する」
オフィスやショッピングセンターの混雑予想や、製造業の効率化などにも活かされている技術。
さらに調理器具や音楽を再生する機器では、好みのレシピやプレイリストなど、個人のライフスタイルに合わせた提案してくれます。
こんな場面で活躍!? 日常生活のなかの「うっかり」を手助けしてくれるIoT
家の鍵、ちゃんと閉めたっけ?
外出してしばらくした時に、家の鍵を閉めたかな…と不安になったことはありませんか?
そんな不安をIoTが解決してくれます。
今ある普通の鍵の上からも後付けできるシステム(スマートロック)で、鍵の開け閉めをアプリ等で管理できます。
オートロック機能がついているものもあるので、閉め忘れを防げます。
通常の鍵と併用できるタイプを選ぶこともできるので、ライフスタイルや予算と合わせて選んでみてくださいね。
あれ? 財布がない、鍵がない…?
財布や鍵など、カバンのなかに入れておいたはずなのに、見つからない。
そんな“うっかり”で、家中をひっくり返して探してしまったことはありませんか?
家のなかにあるのならまだいいけれど、どこかに置き忘れたり落としたりしたのでは…と青くなった経験がある人にも、IoTが使った解決方法があります。
「忘れ物防止タグ(スマートタグ)」を鍵や財布、大事なものに付けていれば安心です。
スマホ等と連動して、一定以上の距離が開くとアラーム音などで教えてくれます。
タグを付けたものから音を鳴らすこともできる機能がある場合だと、家の中のどこかにあるはず…も解決。
タグの形状もキーホルダーやカードタイプ、シール状のものなどがあるので、付けたいものに合わせて選んでみてくださいね。
冷蔵庫のストック、何が足りなかったかな?
スーパーに付いたとき、今すぐ家の冷蔵庫の中身を見たい――と思ってしまう人はきっと多いはず。
常備しておきたい飲み物や卵のほかにも、今日のレシピに足りないものは何…?
と頭を悩ませる瞬間を解決するIoTシステムがいくつか開発されています。
まずは“これが欲しかった”と思わせる「カメラ付き冷蔵庫」。その名の通り、冷蔵庫の中身をいつでもスマホアプリでチェックできます。
また、冷蔵庫内に後付けできるwebカメラも海外で販売開始されました。なかなか家電の買い替えは難しい…というなか、需要が高まれば国内でも開発されていくかもしれません。
他にも、wifiに接続されたトレーやコースターの形状をした専用機材を冷蔵庫内に設置することで、その上に置かれた卵や飲み物の重さを軽量し、ストックを確認できるツールが国内で発売されました。
買い忘れや過剰なストックを防ぐことは、サステナブルな生活の手助けにもなっています。
日々のちょっとした悩み事を解決してくれるIoTは、キッチン周りの家電からどんどん生まれ続けているのかもしれません。
ゆっくりしたい毎日。クオリティ・オブ・ライフを手助けしてくれるIoT
まったりしたい時、シャキッと起きたい時…人は明るさで体のリズムを取っている
人間の体のリズムは、目に入ってくる光の強さにも深くかかわっています。
朝起きる時間が来ても部屋が真っ暗だと、シャキッと起きられない。逆に夜にずっと明るい電灯のままだと体が休むモードになってくれない…そんな経験がある人は多いはず。
IoT家電のひとつ、スマート電球を使うと日の出・日の入り時刻やその日の天候に合わせて明るさを調整してくれるものがあります。
また、今使っている通常タイプの電灯のリモコンを、スマホアプリ等に連携して使うことで、タイマー予約や遠隔操作ができるようになるIoTツールもあります。
快適なライフスタイルだけでなく、電気の消し忘れ防止、留守中の防犯のための点灯などに役立ちます。
それぞれのライフスタイルを解析して、快適な室温を導き出す
家のなかでゆっくりまったり過ごすには、快適な室温が欠かせません。
しかし“快適な室温”は人それぞれ。体質、幼い子供、高齢者、性別といった違いや、飼っているペットによっても違います。
IoT家電・ツールを上手に導入すると、部屋ごとや時間帯、その場にいる人の状況のデータを入力し学習させることで、ベストな室温を保ってくれます。
また、昨今多くの高齢者が室内熱中症にかかってしまう事例も、IoT家電とツールで解決できるかもしれません。
室内の温度・湿度をモニタリングしながら、遠隔操作や自動でエアコンをオンオフできるシステムを導入すれば、遠方で暮らしている家族が、高齢者の生活を守ることもできるのです。
究極のスマート家電化、それはどんなスイッチでもスマートに操作すること
「IoTを家電に活かす」というとリモコン等をアプリと連携したり、スマート機能が付いているものを導入したりするというイメージが強いと思います。
ですが、リモコンのないものでも“スイッチ”さえあればIoT化できるという究極のツールがあるのです。
仕組みは単純で、スイッチを「押す」機能のついているIoTツールを、いろいろなスイッチの上に後付けすること。
このツールを使えば、どんなアナログタイプの機器でも遠隔でスイッチのオン・オフができます。
リモコンのないタイプの照明、お風呂の湯沸かしボタン、コーヒーメーカー、テレビ、インターホンの応答スイッチ。
物理的なスイッチのあるもの全てが、手元のスマートホン等で操作できます。
今日は絶対にダラダラしたい!という1日に使うのもいいかもしれません。
また、急に立ち上がったり移動が難しい高齢者の方やハンディを持っている方の生活の手助けになるツールでもあります。
「IoT(モノとインターネット)」は、企業やネット世代の人だけのもの――なんてことはありません。
実は生活の中のほんのちょっと不便だったことを解決してくれる、そんなツールでもあることを、ぜひ知ってみてください。