事業者・施設管理者が知るべき「女性とトイレ」。行列、清潔、安心をめぐるデータと対策法
- 2024.11.24
SNSの影響もあり、様々な人の需要や要望が可視化されるようになりました。
各事業者はそうした需要や要望を踏まえた上で、サービスを構築、提供していかなければなりません。
そうした中で、女性用トイレに関しても改善しなければならない課題があると注目されています。
とはいえ、実際に女性用トイレを使用している当事者の女性ならばまだしも、実態を知らない男性であれば課題や問題点自体が把握できていないでしょう。
ここでは、女性用トイレがどのような課題を抱えているのか、またそれらの課題がどのような問題を引き起こしているのか、具体的な解決策も踏まえて紹介していきます。
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女性とトイレをめぐる3つの課題
まずはじめに、女性用トイレをめぐる3つの課題について見ていきましょう。
ここでは、国土交通省が公表した資料「女性が輝く社会づくりにつながるトイレ等の環境整備・利用のあり方に関する取りまとめ」を参考に、課題として指摘されているポイントを紹介していきます。
※出典:国土交通省「女性が輝く社会づくりにつながるトイレ等の環境整備・利用のあり方に関する取りまとめ」
女性とトイレと「行列」
まず、一つ目の課題として挙げられることが「女性用トイレの混雑」です。
皆さんも、公共交通施設や商業施設でのトイレにて、女性用トイレに行列ができている様子を見たことがあるでしょう。
同資料のアンケート調査によると、外出先(大規模商業施設)のトイレで不便・不満を感じたポイントとして、47.6%の女性が「利用するために行列に並ばなければいけない」という点を挙げています。
一方で、男性の場合、同じ不満を感じている人は約16%に留まっています。
こうした女性用トイレにて混雑や行列が発生する理由として、トイレ利用者数に見合った個室トイレ数が用意されていない点や、個室トイレ内での化粧や着替えなどが指摘されています。
女性とトイレと「清潔性」・「快適性」
また、多くの女性は外出先のトイレにも清潔性を重視しています。
以前に比べて、公共トイレが綺麗になったという意見も多い一方で、駅や公園などのトイレは清掃が行き届いておらず、使用を避ける女性も少なくありません。
実際、外出先でトイレを使用する時、最も重視することとして「清潔であること」を挙げた女性は76.6%にものぼり、ほとんどの人が清掃が行き届いた綺麗なトイレを求めていることが分かります。
さらに、温水洗浄便座や暖房便座といったトイレの機能性、除菌クリーナーやサニタリーボックスといったトイレ用備品の設置など、トイレ内の快適性を求める声も多く挙げられています。
女性とトイレと「安全」・「安心」
公園や駅などの女性用公衆トイレでは、周囲の環境に対して安全性が確保されておらず、安心して利用できないという声も多く挙がっています。
同資料のアンケート調査によると、大規模商業施設の女性用トイレに関する不満として「安心して利用できない」を挙げた人は約5%であるのに対し、公園での女性用トイレでは51.4%にも跳ね上がっています。
こうした不満が挙げられる理由として、人通りの少ない場所や薄暗い場所に女性用トイレが設置されていること、女性用トイレにて防犯設備や体制が整っていないことなどが指摘されています。
飲食店や公共施設のトイレ対策が必要な理由
このように女性用トイレには3つの課題が挙げられています。
一方で、事業の経営状況やトイレにかけられる予算の関係で、こうした課題の解決が後回しになっているかもしれません。
続いてはこうした課題への対策が遅れた場合に生じるデメリットを見ていきましょう。
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満足度やイメージが低下する
今回紹介した女性用トイレの課題が解決されていない場合、利用者からは施設全体への満足度やイメージが低下する恐れがあるでしょう。
確かに、飲食店ならば提供する料理、娯楽施設ならば提供するサービス内容が、利用者から最も重視されます。
しかし、利用者の施設に対する満足度は、そこで体験したすべての事象を踏まえて判断されます。
そのため、施設のメインサービスに対して満足していたとしても、トイレでの体験に不満が残ってしまうと、最終的には施設全体への満足度やイメージが悪化してしまうのです。
利用者同士のトラブルのリスクの増加
女性用トイレに関する課題の中には、トイレ自体に問題があるのではなく、利用者の行動が問題となっていることもあります。
例えば、トイレ個室内での化粧や着替えにより、トイレが混雑し行列ができているという課題は、利用者側の問題といえるでしょう。
こうした課題に対しても、事業者側が事前に把握し対策を実施しなければ、利用者同士のトラブルにまで発展する恐れがあります。
もちろん、これらのトラブルが全て施設運営者や管理者の責任になるわけではありません。
とはいえ、トラブルが発生してしまった場合のリスクやデメリットを考慮すると、事前に対策を施したほうが良いでしょう。
感染リスクなどの増加
資料のアンケート調査からも、多くの人が公衆トイレに清潔性を求めています。
公衆トイレでの汚れというと、目に見える汚れを想像するかもしれません。
しかし、たとえ目に見える汚れが無くとも、定期的な清掃の実施や適切な清掃体制を整える必要があるでしょう。
これは、定期的な清掃が実施されていないトイレでは、ウイルス感染のリスクが増加するためです。
実際、コロナウイルス感染者の便からウイルスが検出された事例があり、便を流した際にトイレ周辺にウイルスが拡散される恐れもあります。
トイレ内でのウイルス感染を防ぐためにも、便座やドアのノブ、レバーなどのトイレ周辺を細目に清掃する必要があるでしょう。
性犯罪が発生しやすくなる
日本の公共トイレの多くは「誰でも使える」という点を重視している傾向にあります。
しかし、こうした特徴は性犯罪が起きやすいとも言われています。
例えば、男性用トイレと女性用トイレの位置が近い場合、悪意を持った男性が女性用トイレの近くにいたとしても、違和感を感じません。
また、トイレ付近の照明が少なく、周囲から中の状況が分からなければ、性犯罪や盗撮などが実行しやすい環境となります。
このように、「誰でも女性用トイレに近づける」「女性用トイレ近辺に明かりが少ない」といった状況は、性犯罪が発生しやすい環境となり、女性が安心して利用できるトイレとは言えないでしょう。
女性とトイレの3つの課題の対策法
女性用トイレが抱える課題へ対処する必要性が分かったとしても、施設側にも様々な事情があるでしょう。
解決したいと考えていても、具体的にどのような対策をしていけばよいのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
最後に、女性用トイレに関する課題への対策方法とそれに役立つ備品を紹介していきます。
行列の対策方法
トイレの混雑による行列を対策するためには、トイレ内の個室数、便座数を増やす必要があるでしょう。
しかし、この解決方法は施設内のスペースによる制約や設備投資にかけられるコストの関係から、実現は難しいと判断する運営者・事業者も少なくありません。
そのため、トイレ設備自体を変更するのではなく「誰でもトイレの利用状況が把握できるようになる」という方法で、女性用トイレの混雑を防ぐのもおすすめになります。
TERASPLACE
「TERASPLACE」はトイレ内にセンサーを設置できるセンサーです。
このセンサーで入手した情報は、クラウド上に保存され、外部から誰でもトイレの利用状況や空き状況を把握することができます。
トイレの個室状況が把握できるようになれば、施設内のどこにトイレがあるかを確認できることはもちろん、利用者自身が空いているトイレを見つけられるようになります。
これにより、女性用トイレでの利用状況が最適化され、混雑による行列を未然に防ぐことができるでしょう。
また、運営者・管理者側の設定によって、特定の個室が一定時間以上使用されている場合、通知を届くようにすることができます。
「一定時間以上の利用されている場合は、清掃員が声をかける」「通知があった際には、安全配慮のために従業員が巡回する」などの仕組みを共有することで、個室内での化粧や着替え、スマホの利用による長時間使用を未然に防ぎ、行列対策となるでしょう。
清潔性・快適性向上の方法
常にトイレ内を清潔な状態に保つためにも、適切な人員配置と一定の時間ごとに清掃を実施するなど、清掃体制を整える必要があるでしょう。
しかし、昨今は人員削減を実施している企業も多く、十分な清掃体制を整えられるほど清掃員を雇用できないという施設もあるかもしれません。
こうした場合、各トイレの個室に除菌クリーナーや便座シートを設置し、利用者にトイレを清潔な状態に保つよう促す方法もおすすめになります。
もし、この方法によってトイレ内の清潔さを保つのであれば、快適性を向上させるためにもサニタリーボックスの設置も必要です。
サニタリースリムボックス アーバングレー
「サニタリースリムボックス アーバングレー」は業務用のサニタリーボックスです。
業務用ということもあり、その容量は8Lと大容量となっています。
その一方で、縦に長い設計になっていることから、トイレ内のスペースに余裕が無くとも十分設置できるでしょう。
シックで都会的な見た目になっているため、トイレ内の外観を崩さず、施設全体の印象を悪化させることもありません。
※製品ページ:サニタリースリムボックス アーバングレー
※関連記事:男子トイレにサニタリーボックスを設置する目的と意義。自治体の設置状況とは
安心・安全性向上の方法
女性用トイレの「安心・安全性の向上」においても「TERASPLACE」が役立ちます。
通常、トイレ周辺環境での安全性を向上させるためには、男性が女性トイレに接近しにくい設計にする、外部からでも中の人の動きが分かる照度を確保するなどの取り組みが挙げられます。
しかし、すでに女性用トイレを設置している場合、こうした方法で安全性を向上させるのは難しいかもしれません。
一方で、「TERASPLACE」であれば、センサーによって2人以上で個室に入っていないか、外部から把握することができます。
「TERASPLACEにて、個室の状況が分かる」という旨を張り紙にて周知するだけでも、性犯罪の抑制につながり、女性が安心して利用できるトイレを実現できるでしょう。
女性が安心かつ快適に利用できるトイレ環境を整備しよう
日本では各商業施設や飲食店、コンビニなど様々な場所に公衆トイレが設置されており、誰でも無料で利用できます。
とはいえ、全ての公衆トイレが安全かつ快適に利用できるわけではありません。
また、女性と男性では公衆トイレに求められる需要や要望がやや異なり、女性トイレならではの課題も挙げられています。
施設の運営者や事業者は、こうした課題を踏まえて、全ての利用者が安心して利用できるトイレ環境を構築する必要があるでしょう。
大規模なトイレ環境の改修が難しい場合は、今回紹介した製品を活用して、課題に向けた対策を行いましょう。